EZO -いいぞ-

1分で考えたブログ名。特に、意味はない。

「僕の全部を指差した」

お久しぶりです。サボりまくってました。動画作ってたので許してください。
最近周りの友人たちの間で日報とやらを書くのが流行りらしく、自分も8月からやってみようかなあと思ったり思っていなかったりしています。恐らく日報(週刊)、あるいは(季刊)がついてしまいます。
紹介したいのにサボりまくった漫画たちもだいぶありますし、一応挑戦だけはしてみようと思います。

ヒックとドラゴン

見た後に知ったのですが、リロ・アンド・スティッチの監督なんですね。ちなみに見ていません。恐らくこの「怪物と思われてるやつと仲良くする感じ」が似通っているんじゃないかと勝手に思っています。
さて肝心のこの映画ですが、とある会で見たため自分にリモコン権は無く、最初の5分くらいと途中の5分くらいが切られていることを先に宣言しておきます。その上での感想です。

まず主人公であるところのドラゴン「トゥース」ですが、とてもかわいい。ドラゴンといえばやはり鋭い眼光や硬そうなウロコ、恐竜的な牙や爪といったイメージが強かったのですが、トゥースは丸みを帯びたデザインです。ウロコもそこまで目立つことはなく、そして印象的なのは目が大きく描かれていることです。どんな気持ちでいるのかが非常に分かりやすくなっており、伝説の怪物というよりはライオンなどの猛獣のようなレベルに感じられます。

そして人間主人公の「ヒック」。バイキング一族に生まれたのにひ弱問題児だと言われていますが、エンジニアとしては割りと優秀。この辺の設定は少年漫画的で「コイツがヒーローになっていくんだろうな」とわかりやすいです。

周りのキャラたちでは息子にバイキングとして勇ましく戦うことを期待してすれ違ってしまう父親「ストイック」、体力面で劣るヒックをイジメまくるモブ。少年漫画的です。

映像的にはとても素晴らしかったです。3DCGアニメの醍醐味を感じられる美しい風景、迫力あるドラゴンたちの飛行シーンUSJハリーポッターアトラクションを思い出すスピード感でした。もっと色々書けよとか言われそうですが、3DCGには詳しくないので「すごい!」以上の感想を持てず。無念。

↓この辺からネタバレ含んでトーリーについて触れます。あくまで個人的な感想です。
自分の特大偏見が入りまくっていますので、この映画が大好きな人は読まないでください。↓

ヒックとトゥースが出会い、トゥースの怪我を克服して空を飛ばせるために奮闘していく。このあたりの展開までは非常に熱く、王道で、安心して楽しんでいました。タイトル通り「ヒックとドラゴン」周りの話は非常に面白く、夢中で見ることが出来ました。
しかし、周りの登場人物たちが、自分にはどうもいただけなかった。父親、ヒロインであるアスティ、メインキャラクターたちのはずが、どうにも理解しがたい点が多かった。

例えばアスティはヒックとトゥースに乗った後で秘密の共有を約束し、さらにキスまでして帰っていきます。ヒックは呆然としていますが、それはそうです。トゥースに乗(せられ)る直前まで彼女はいじめっ子集団の一員であり、フィジカル面で優秀かつプライドが高いがゆえにヒックに向けて思い切り嫉妬を向けていたのです。向けるだけならまだしも、彼女は直接的にヒックを殴ったり暴言を吐いたりしています。それが一度ドラゴンに乗せてもらっただけで熱い掌返し。本来ならばヒックに謝罪して、まず今までの行いの許しを請うべきでしょう。一方的に暴力女にキスされただけのヒックは不本意の極みだったはずです。トゥースのことを秘密にすると約束しても、いつ裏切るのか気が気でないでしょう。さすがにそこまで救いのないストーリーではありませんでしたが。

さて、自分が最も違和感を感じたキャラクターが、ヒックの父親であるストイックです。前述の通り、この映画は全体的に少年漫画の王道的なストーリーを突っ走っています。ひ弱な主人公がひょんなことから隠れた才能を発揮し、いじめられっ子からヒーローに成る。ストイックはヒックがバイキングとして掟に従い、武器と防具を持って勇ましく戦うことを期待しますが、この会話が一方通行であり、ストイックはヒックの話を一切聞こうとしません。自分が絶対的に正しく、息子の意見など子どもが喚く戯言程度にしか考えず、気に入らないことは全てウソだと信じこむ。脳みそまで筋肉で出来ているような思考回路で、自分で掲げたマニフェストである「ドラゴンの巣を見つけ出して壊滅させる」ことについてすらロクな解決策を提案しません。また、探索から帰ってきてヒックの訓練中の活躍を知るやいなや、あれだけ失望しただの未来がないだのと愚痴っていた息子を今度は全力で持ち上げます。そして村人たちに猛烈なアピールをします。一度もその活躍を目の前では見ていないのに。

このような表現をすると、自分がストイックに主観的な嫌悪感を抱いてディスっていると取られるかもしれません。しかし、ヒックが訓練場でドラゴン退治を放棄してドラゴンとの対話・ふれあいを群衆に見せて説得しようとした時、ストイックはあろうことか持っていたハンマーでフェンスをぶん殴ります。これ以前の訓練の描写で、「盾を叩いてノイズを発生させ、ドラゴンを撹乱するんだ」という教えがあります。ドラゴンがノイズに過敏なのは既知の習性なのです。息子が武器も防具も放棄してドラゴンの目の前に居るにも関わらず、そのドラゴンを刺激し、実際ヒック及び助けに入ろうとしたアスティは危機に陥ります。客観的に見ても、何故この人はバイキングの長になれたのだと疑問を呈さざるをえないでしょう。
そしてこのくだりの後、ストイックはヒックに「お前を信じた俺が馬鹿だった」「お前は俺の息子ではなかった」と、勘当にも近い言葉をぶつけます。少年漫画的なストーリーかと思いきや、親は子どもを信じている――という王道からはガッツリ外れていました。まあここは自分の好みの問題だと思いますが。

そしてラスボス戦。なんやかんやあって、ストイックはバイキング戦闘員の大多数を危険に晒し、「俺がヤツの気を引くからそのスキに逃げろ!」的なセリフを吐きます。完全に自分に酔っています。相手は人間の何倍とかそういうレベルを超えたモンスターであり、オッサンひとりがハンマーだか斧だかを持って立ち向かったところで気を引くレベルにすらならないのです。そもそも、ほぼ唯一の逃げる手段であった船団は全て燃やされています。リーダーであるストイックは隊を指揮し、出来る限り安全な場所まで混乱を避けながら退却するべきでしょう。リーダーがここで斃れたらもっと隊は混乱し、被害はますます甚大になる可能性があります。それ死ぬ前に一度は言ってみたかったんでしょ、と思ってしまいました。
さてなんやかんやあって、ヒックと仲間(?)たちが各種ドラゴンに乗って加勢に来ます。水中に沈んでいたトゥースもなんとか助けます。ここでトゥースの首輪を外すのがストイックのため一瞬いいヤツキャラになったのかと勘違いしそうになりますが、そうではありません。そもそもトゥースをガッツリ拘束したのはストイックであり、ただのマッチポンプです。

ヒックはトゥースに乗り、ラスボスに挑みます。そしてなんだかんだで倒します。「えっ普通に戦って力で倒しちゃうんだ……」と困惑したのは自分だけでしょうか?まあそれはアレとして、最後にヒックは死んだと思われ、ストイックは泣き崩れます。しかしヒックがトゥースの羽の中から出てくると、ヒックを抱きながら「お前は誇れる息子だ」的なことをつぶやきます。いやどの口が言っているんだという話です。あなたが抱きしめているその子はあなたの息子じゃないんでしょと。信じるやつは馬鹿なんでしょと。掌返しもいいところです。今するべきは抱きしめるとか優しい言葉(笑)をかけることではなくて、今までの非礼を詫びることと、自分の命、部下の命、ひいては村全体を守ってくれたヒーローに対する感謝を伝えることです。そしてそれに見合う謝礼を渡すことです。他人扱いしたのですから。あるいはヒックが失くした片足に少しくらいショックを受けてもいいのではないでしょうか。

ストイックについて色々書きましたが、恐らく不器用な父親みたいなものを描きたかったのかなと思いました。少年漫画的ですよね。「俺は信じてたぜ」みたいな。でもそれは、不器用なりに子どもの身を案じたり、陰では応援していたり、そういう行動があってこそラストシーンの「信じてたぜ」が効くと思うのです。ストイックに関しては、不器用とかではなく単純に横暴に見えてしまいました。自分が子どものような純真無垢の感性で鑑賞できていれば、印象も変わったのでしょうか。

長々と書きました。文字ばっかりで自分でも引きましたが、一応自分用のメモとして残しておきたかった。読んで不快になられた方がいらっしゃいましたらすいません。あくまで個人的な感想です。
ちなみに、アスティがヒックに「バイキングがずっと探していたドラゴンの巣を隠すの?ペットのドラゴンを守るために?」と詰め寄る時、ヒックは「うん」と答えます。トゥースはペットなのか。「ペットじゃない!友達だ!」って言ってほしかったな……。